入学式で着物を着たいと思うけれど「恥ずかしいかな?」「周りと違って浮いてしまうのでは…」「着ている人が少なかったらどうしよう?」と不安に感じて、ためらっていませんか?
「自分だけ目立ってしまうのでは?」と考えると、心配になりますよね。
でも、大丈夫です。
着物は、入学式というフォーマルな場にふさわしい格式のある装いです。
訪問着・付下げ(一つ紋付き)・色無地(一つ紋付き) の中から落ち着いた色柄を選び、小物のコーディネートを工夫すれば、決して「浮く」「恥ずかしい」と感じることはありません。
この記事では、「着物を着たいけれど不安がある方」「どんな着物を選べばよいか分からない方」「入学式の着物のマナーを知りたい方」 に向けて、着物の着こなしのポイントを詳しく解説します。
基本的なマナーを押さえた上品な装いが分かれば、自信を持って入学式に着物で参加できるようになります。
ぜひ最後までご覧ください!
入学式に着物を着るのが恥ずかしいと思う理由と対策法

「入学式に着物を着るのは恥ずかしいかも・・・」と感じる方は少なくありません。
特に、次の2つの理由で不安になることが多いようです。
- 着物で参加する人が少ないのでは?という不安
- 着物のマナーに自信がない
ここでは、それぞれの不安を解消するための対策を紹介します。
原因1:着物で参加する人が少ないのでは?という不安
着物はフォーマルな場にふさわしい格式のある装いのため、着物の適切な選び方とマナーを守れば、人目を気にする必要はありません。
「自分だけ浮いてしまうのでは?」と不安に思うかもしれませんが、たとえ着用する人が少なくても、マナーを守っていれば堂々と着こなすことができます。
例えば、訪問着や付下げ(一つ紋付き)、色無地(一つ紋付き)といった準礼装の着物を選び、淡い色や控えめな柄を意識すれば、入学式にふさわしい上品な印象になります。
着こなしのポイントを押さえ、日本の伝統文化を大切にする品格ある装いとしているという自信を持ち、晴れの日を楽しみましょう。
原因2:着物のマナーに自信がない
入学式で着物を着る際、「どの着物を選べばよいのか」「帯や小物のコーディネートが難しそう」と不安を感じる方も少なくありません。
しかし、基本的な着物のマナーを押さえれば安心して準備できます。
入学式はフォーマルな場であり、着物の種類や色柄、帯の選び方には一定のマナーがあります。
特に、格式に合った装いを意識することが大切です。
例えば、訪問着・付下げ(一つ紋付き)・色無地(一つ紋付き)が適しており、黒留袖や振袖はふさわしくありません。
具体的にはクリーム色や淡いピンクなどの落ち着いた色合いの訪問着に、控えめな金糸を使った袋帯を合わせると品のある装いになります。
入学式にふさわしい着物の選び方や、帯や小物のコーディネートについては、後半の記事で詳しく説明しますので、ぜひ参考にしてください。
入学式でやりすぎと思われない着物の着こなしのポイント5選

入学式では、着物の種類や色柄、小物選びを工夫することで、華美になりすぎず品よく着こなすことができます。
具体的には、下記の5つのポイントを押さえましょう。
- 入学式に相応しい着物の種類を選ぶ
- 控えめな色柄の着物を選ぶ
- 入学式に相応しい帯を選ぶ
- 入学式に相応しい和装バッグを選ぶ
- 髪型は盛りすぎない
5つのポイントを押さえれば 、華やかすぎず、かつ地味すぎない、センスの良い着物姿で、主役である子供を引き立てることができます。
1つずつ順番に解説します。
1:入学式に相応しい着物の種類を選ぶ
入学式には、準礼装の着物を選ぶのが一般的です。
準礼装にあたる着物には下記の3種類があります。
- 訪問着
- 付下げ(一つ紋)
- 色無地(一つ紋)
入学式にふさわしい着物として、最もおすすめなのは「訪問着」です。
格式を守りつつも華やかすぎず、上品な雰囲気を演出できるため、改まった場に適しています。
訪問着よりもややカジュアルな「付下げ(一つ紋付き)」も入学式に好ましい着物です。
付下げは柄の配置が控えめでありながらも、上品な印象を与えるため、派手になりすぎることなく落ち着いた雰囲気を演出できます。
格式を重んじる装いを好む場合は、「色無地(一つ紋付き)」も入学式に適しています。
家紋が入った色無地は、厳かな品格を持ちつつも、色の選び方によって柔らかく優しい雰囲気や、格式のある落ち着いた印象を演出することが可能です。
「訪問着」「付下げ(一つ紋付き)」「色無地(一つ紋付き)」の違いや、どの着物を選ぶと良いかについては記事後半で解説するので、参考にしてください。
反対に、入学式にはふさわしくない着物もあります。
留袖などの第一礼装は格式が高すぎるため、避けたほうがよいでしょう。
反対に、小紋や紬といった平服は、カジュアルすぎるため、入学式には相応しくありません。
お子様の晴れ姿を引き立てつつ、場に合った品格のある着物を選ぶことが大切です。
2:控えめな色柄の着物を選ぶ
入学式に着用する着物は、お子様の晴れ姿を引き立てるよう、控えめで上品な色柄を選ぶことが大切です。
落ち着いたパステルカラーやベージュ、グレーなど、主張しすぎない上品な色味を選ぶと、春の入学式の雰囲気に自然と馴染みます。
反対に、派手な色使いや黒、濃紺などの暗い色は、春の華やかな雰囲気にはそぐわないため、避けるとよいでしょう。
柄は華やかすぎず上品なデザインを意識すると、入学式のフォーマルな雰囲気に馴染みます。
小さな草花柄や、落ち着いた幾何学模様などが好ましいでしょう。
金糸や銀糸をふんだんに 使った豪華な柄行は、格式が高く華美な印象を与えるため、入学式には避けた方が無難です。
お子様と一緒に写真に収まることも考え、バランスの取れた上品な装いを心がけましょう。
3:入学式に相応しい帯を選ぶ
入学式の帯は、格式の高い袋帯を選び、華美になりすぎない落ち着いた色柄を意識することが大切です。
控えめなデザインを選ぶことで、お子さまの晴れ姿を引き立てながら、上品で品格のある装いになります。
袋帯は格式のあるフォーマルな帯ですが、金糸や銀糸を多用した華やかなものは結婚式向きのため、入学式では派手な印象になりかねません。
入学式ではシャンパンゴールドやパールホワイトなどの淡い色合いの袋帯がおすすめです。
着物が淡い色の場合は、帯を少し濃いめの色にすると、コーディネート全体にメリハリが生まれ、引き締まった印象を与えます。
さらに、帯締めや帯揚げも重要なポイントです。
派手な色は避け、着物と帯の色に調和する控えめな色を選ぶと、全体のまとまりがよくなります。
細部まで気を配ることで、洗練された品のある着こなしが完成します。
入学式では、格式を守りつつも落ち着いた色柄の帯や帯締め、帯揚げ を選ぶことが、品のある装いを作るポイントです。
4:入学式に相応しい和装バッグを選ぶ
入学式に持っていく和装バッグは、フォーマルな場にふさわしいデザインで、必要な荷物が入るものを選びましょう。
適したバッグとして、小ぶりなハンドバッグと、やや大きめのトートバッグの2種類があり、当日の行動や荷物の量を考慮して選ぶとよいでしょう。
ハンドバッグは、刺繍や金具を使った華やかなデザインが多く、フォーマルな印象を演出できます。
ただし、サイズが小さいため、財布や携帯電話など、必要最小限の荷物しか入りません。
一方、トートバッグはスリッパ、カメラなども収納できる実用的なサイズです。
入学式では説明会の資料をもらうことも多いため、大きめのバッグがあると安心です。
ただし、カジュアルになりすぎないよう、落ち着いた色で控えめなデザインを選びましょう。
どちらのバッグを選ぶ場合も、着物の色に調和する上品な色味を選び、派手な装飾は避けることがポイントです。
フォーマルな場に相応しい品のあるバッグを選ぶことで、入学式の格式を保ちつつ、快適に過ごせるよう準備を整えましょう。
5:髪型は盛りすぎない
入学式の髪型は、着物姿に合わせた上品なアップスタイルが基本です。
派手すぎるアレンジは避け、控えめで洗練されたヘアスタイルを心がけることで、入学式にふさわしい落ち着いた印象を演出できます。
結婚式のような派手な盛り髪や、華美なヘアアクセサリーを使ったスタイルは、入学式では目立ちすぎてしまいます。
お子様の晴れ姿を引き立てる、控えめで上品な髪型を心がけましょう。
アップスタイルは、シニヨンや夜会巻きなどのすっきりとしたまとめ髪が適しています。
特に和装の定番である夜会巻きは、高さを抑えめにすると、より上品で洗練された印象になります。
髪飾りは、着物や帯の色に合わせた落ち着いた雰囲気のものを1・ 2点ほど添えるだけで十分です。
キラキラした大きな装飾や、花飾りを多く付けすぎるのは、避けるのが無難です。
シンプルなかんざしや、パールのアクセサリーなど、品のあるアイテムを選ぶと良いでしょう。
入学式にふさわしい着物の種類と特徴

記事前半で、入学式に着用する着物は準礼装が基本であり「訪問着」「付下げ(一つ紋付き)」「色無地(一つ紋付き)」の中から選ぶのが適切であるとお伝えしました。
ここでは、それぞれの着物の特徴を詳しく解説し、どのような基準で選べばよいのかを分かりやすく紹介します。
ご自身の好みや、入学式の雰囲気に合わせて、最適な着物を選ぶ参考にしてください。
訪問着
訪問着は、フォーマルな場にふさわしい格式を持ちつつ、華やかさも取り入れたい方におすすめの着物です。
上品な装いを心掛けたい方や、入学式で適度な華やかさを演出したい方にも適しており、落ち着いた品のある印象を与えます。
訪問着は、留袖に次ぐ格式のある着物で、結婚式やお宮参り、七五三などの改まった場にも適しています。
そのため、一度購入すれば長く活用できる汎用性の高さも魅力です。
また、訪問着の特徴のひとつが、着物全体が一枚の絵のようにつながる「絵羽模様」です。
この柄付けにより、立ち姿だけでなく、座ったときの姿も美しく見えるため、フォーマルな場面にふさわしい装いを整えることができます。
入学式での着物に迷ったら、格式を守りながらも華やかさを演出できる訪問着を選ぶと安心です。
フォーマルな場に適しているだけでなく、入学式以外の行事でも活躍するため、長く愛用できる着物といえるでしょう。
付下げ(一つ紋付き)
付下げ(一つ紋)は、格式を守りながらも控えめで上品な装いをしたい方におすすめの着物です。
訪問着ほど華美にならず、落ち着いた印象を与えるため、入学式の母親の装いとしてふさわしい一着となります。
付下げは紋の数によって格が変わるのが特徴で、紋がない場合は略礼装としてカジュアルな場面向きですが、一つ紋を入れることで準礼装となり、入学式にふさわしい着物になります。
付下げのもう一つの特徴は、柄が縫い目でつながらないシンプルなデザインです。
訪問着のように着物全体が一枚の絵のようになる「絵羽模様」とは異なり、控えめな柄付けとなっているため、落ち着いた雰囲気を演出できます。
一つ紋入りの付下げは、訪問着よりも控えめな印象で、格式を守りながらも上品に装いたい方におすすめです。
色無地(一つ紋付き)
色無地(一つ紋付き)は、入学式にふさわしい上品な装いをしたいが、華美になりすぎるのを特に避けたい方におすすめの着物です。
色無地は、白地を黒以外の一色で染めた絵柄のない着物で、柄のある訪問着や付下げに比べ、さらに控えめな印象を与えます。
洋装のスーツ姿が多い中でも馴染みやすく、落ち着いた雰囲気を好む方にぴったりの着物と言えるでしょう。
色無地は紋の数によって格が変わるのが特徴で、紋がない場合は略礼装としてカジュアルな場面向きですが、一つ紋を入れることで準礼装となり、入学式にふさわしい格式のある着物になります。
一つ紋入りの色無地なら、入学式の格式を守りながらも派手になりすぎる心配がなく、洋装の保護者とも調和しやすい装いが叶います。
まとめ|ルールや着こなしのコツをおさえて入学式に着物で華を添えよう!
入学式は、お子様の人生における大切な節目の行事です。
母親として着物で参列することで、特別な日をより思い出深いものにできるでしょう。
「恥ずかしいかな?」「浮かないかな?」と思っている方も、大丈夫です!
下記のポイントを押さえれば 、入学式にふさわしい着物姿で自信を持って参加することができます。
- 訪問着、付下げ(一つ紋付き)、色無地(一つ紋付き)から選ぶ(準礼装)
- 着物は控えめな色柄で上品な装いを心がける
- 帯は華美になりすぎない落ち着いた色柄の袋帯にする
- 和装バッグは、フォーマルな場にふさわしいデザインで、必要な荷物が入るものを選ぶ
- 髪はシニヨンや夜会巻きなどのすっきりとしたまとめ髪にして、装飾は盛りすぎない
- お子様の晴れ姿を引き立てる着こなしを意識する
心配な方は、着付けの予約と同時に着物選びの相談をすることをおすすめします。
プロのアドバイスを受けることで、より安心して準備を進められます。
基本的なマナーを押さえた上品な装いで、お子様と一緒に思い出に残る入学式の1日を過ごしましょう。